表面処理技術
長時間のウィスカ促進試験
弊社のゼロウィスカ仕様亜鉛めっき(特許取得済)『ゼロウィスカS』は100℃×72時間のウィスカ発生促進試験を1ヶ月毎に実施し、ウィスカ発生がないことを確認して品質保証をしております。
弊社顧客から、もっと長時間促進試験を行なった場合でもウィスカは本当に発生しないのか確認してほしい旨の依頼を受けたので2000時間までの促進試験を実施し、ウィスカ発生の有無を観察しました。
1.試験片
10×5cmの試験片を量産ラインでゼロウィスカS処理し、6価クロメート防錆処理した。
2.促進試験とウィスカ観察
2月6日に試験片を熱循環式恒温槽に入れ、100℃±3℃の雰囲気下で促進試験を行い、ほぼ500時間毎に取り出して20〜60倍で実体顕微鏡観察を行なった。
2000時間経過後のものは走査型電子顕微鏡観察を行った。
3.結果
500時間毎のウィスカ発生有無の結果をまとめて表1に示し、2000時間経過後の外観写真と、走査型電子顕微鏡写真を写真1、2にそれぞれ示しました。表1に示したように、2000時間経過してもウィスカの発生は認められませんでした。
ウィスカ観察結果(表1)
促進時間(H) | ウィスカ発生の有無 |
---|---|
500 | 無 |
1000 | 無 |
1500 | 無 |
2000 | 無 |
2000時間経過後の外観(写真1)

ヒロックのようなものがわずかに認められたが、1500倍の倍率でその周辺を確認してもウィスカの発生は認められませんでした。
2000時間経過後の走査型電子顕微鏡写真(写真2)

超長時間ウィスカ促進試験を行ってもウィスカが発生しない理由はめっき皮膜中の内部応力を低く抑えるようにめっきしている(特許取得済)ためです。